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製造現場改善を促す目的思考

製造現場のための目的思考

生産性向上や品質不良対策として生産現場の改善を行う際、あるいは新たな制度を導入する際、忘れてはならないのはその「目的」です。
目的を意識しながら日々の活動を行うことで、施策・制度の本質を捉え狙った効果を発揮することが出来ます。ここでは製造の責任者や品質管理担当者を想定し、製造現場における目的思考について説明します。

目次
1.製造部員からの質問
2.製造部の目的
3.目的を意識した仕事
4.製造現場で見る目的の欠如
5.終わりに:製造現場のための目的思考

1.製造部員からの質問

あなたの会社で、製造機械の点検を定期的に行うことが決まっているとします。
点検項目は点検基準によって定められ、どの程度異常が見られた場合、どのような処置を取るべきか定められています。点検は、機械を扱う作業者によって毎週及び毎月実施されています。
ある時、作業者の一人からこんな質問をされました。
「この機械を用いる製品は最近受注が無く、月に1回程度しか動かしていない。毎週点検をする必要があるのか?」
この質問に対し、どう答えるべきでしょうか?

上記の例は、以前実際に弊社コンサルタントに質問をされたものです。
若い作業者ですが、自分たちの行っていることの「目的」を考え、質問をしてくれました。

ISO9001(品質マネジメントシステム)を構築している企業だと、機械点検はルールとして導入されます。ですが現場の全員が機械点検の目的を理解して導入されているとは言い難いです。これは多くの制度で同じことが言えます。

2.製造部の目的

では、機械点検は何のために行うのでしょうか?

答えは人や会社によって多少異なるかもしれませんが、一般的に「機械異常(故障)を減らす」と考えられます。
では再度考えて、何のために機械異常を減らすのでしょうか?

機械異常を減らす目的は、ざっと以下のようなことが思い浮かびます。
 ・機械停止時間を減らす
 ・機械が原因の品質不良を減らす
 ・作業者の安全性を高める
 ・長く使用する(機械の寿命を延ばす)

ここから再度考え、何のために上記のことを…と考え続けると、製造部の目的に行き当たります。
製造部は「基準に合った製品を、最少のコストで生産し続ける」ことが目的です[1]。

機械の異常を減らすことで、品質不良が減り「基準に合った製品」が生産されやすくなります。
同じように機械の異常を減らすことで、機械停止時間が減り作業者の安全性を高まることで「最少のコスト」に近づきます。
逆に言えば機械の異常が減ったとしても、そこから得られる利益を超えるコストがメンテナンスにかかるのであれば、製造部の目的に合いません。メンテナンスしない方が良いです。

つまり機械点検は「機械異常を減らす」ことを目的としながら、「基準に合った製品を、最少のコストで生産し続ける」という、より上位の目的があって行っています。

3.目的を意識した仕事

上記の目的の流れを図にすると以下のようになります。
目標展開
途中の「品質不良を減らす」は企業の状況によって異なりますが、機械点検はこれらの目的に適合するように行うことで、目的に対して効果を発揮します。

では、最初の例に戻って考えてみます。

「月に1度しか使用しない機械を毎週点検する必要があるのか?」

という質問でした。

点検の目的は「機械の異常を減らす」から「基準に合った製品を、最少のコストで生産し続ける」まであります。これらに適合する形で点検を見直すことで、必要な点検を行いつつムダなコストを省くことが出来ます。

質問への回答は『点検の目的を考えて、ムダになっている部分は削る』という答えが妥当かと思います。具体的には「使用していなければ部品の摩耗は無いため、摩耗を見る部分は使用後のみとする」「ネジの緩みが毎週でも隔週でもほとんど変わらないのであれば隔週にする」などの変更が考えられます。

4.製造現場で見る目的の欠如

上記のことは一見当たり前に見えます。ですが実際に製造現場において目的を見失ってしまっている例を見ます。

・形式的に行っているだけのダブルチェック
・2年以上開かれていない作業手順書
・すべて〇が付けられている機械点検表
・達成のための行動がとられていない目標

あなたの会社ではこのようなことが無いでしょうか?

目的が理解されていないこれらの行動は、効果に対して手間や負担が大きくなっています。大抵これらはある時「意味が無いからやめる」という話が持ち上がり、廃止されます。
ですが本来は目的があったもので、存在が悪いのではなく目的に沿って行われていないことが悪いのです。目的を改めて認識し、目的に合うように行うことで狙っていた効果を発揮します。

5.終わりに:製造現場のための目的思考

ここまで目的を考え、目的を意識して仕事を行うことの重要性を説明してきました。

このように現在行っている制度や仕事について目的を考え、目的に合うように変えていければ良いですが、現実にきっかけも無く全員の意識とやり方を変えることは難しいです。もし社内で小集団活動が行われているのであればその中で取り上げる、目標制度があれば半期に1項目見直す形で取り上げるなど、プロジェクトのような形で行うことをお勧めします。
また改善活動の対策立案においては、目的思考を取り入れた【ECRSの原則】というフレームワークがあります。これは手間がかかっている作業・工程に対して、

E(Eliminate):無くせないか?
C(Conbine):類似作業と一緒にすることで効率化出来ないか?
R(Rearrange):順序を変えることで効率化出来ないか?
S(Simplify):簡素化して効率化出来ないか?

の順番で考えることで、大きな改善の効果を得られるというものです。このフレームワークを利用することで自動的に『最小のコスト』の目的に沿う案になります。

目的思考は改善における強力な武器です。
冒頭で述べたように、目的を理解して日々の活動を行うことで制度や物事の本質を捉えることが出来ます。また同時に仕事のモチベーションを高めてくれるものでもあります。
ぜひ目的を考える習慣をつけ、現場の改善に役立ててください。


[1]一般的な企業における筆者の考えを提示しています。最少のコストを目的としない(例えば最少の環境負荷など) 企業もあります。

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