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経営力を高める

仕事の効率化



弊社では専門的なコンサルティングや企業支援、経営研究等でこれまで数多くの中小企業を見てきました。
その中には成長を続ける企業もあれば長期にわたって主要課題を克服できない企業もありました。
この「経営力を高める」のテーマでは、重大な経営課題を長期間にわたって解決できないでいる企業の経営者・管理者の方を対象として、「基礎経営力を向上する」を切り口に現状を打破するためのヒントを記載していきます。
現状を変えるきっかけやモチベーションの一つになれば幸いです。

1.効率化の目的

あなたの会社が現在「最少人数での運営」を行っているとすれば、社内の全員が忙しいことと思います。
費用を最小限に抑えることで経営としては何とかやっていけている、ですがこのままでは状況が悪くなっていくことも感じられていることでしょう。

やらなければならないことは「重要課題を解決する活動」です。利益が問題なら現在・将来の利益を高めるための活動、事業承継が問題なら承継する人を探し・育てる活動です。恐らくそうした問題と「解決のためにやらなければならないこと」が常に頭の中にあることと思います。その「やらなければならないこと」を実行していかなければ、状況は良くなりません。

今すぐにそうした活動を始めたいところですが、現在は社内の全員が忙しく活動を行う時間がありません。手を付けたとしても継続しないことが予想されます。
だからまずは仕事の効率化を行う必要があるのです。効率化をして重要課題を解決する活動への実行力を増します
そのため効率化の優先度は経営者・管理者、その後現場です。率先垂範の意味も込めて、まずは経営者・管理者の皆さん自身の仕事から、効率化を考え実施しましょう。

2.仕事時間を可視化する

仕事の効率化は、自分が普段何にどのくらい時間を使っているのかを認識するところから始めます。
大まかで良いので30分あるいは1時間ごとに何をしていたかを書き出します。



10日程度続けると普段何に時間を使っているかを確認出来ます。

最初はこの「仕事時間を可視化すること」が重要です。
可視化した自分の時間を見てみると、改めて自分が忙しいことが分かります。ですが自分が重要課題の解決につながる業務にどれくらい時間を使えているかを見てみると、毎日休みなく働いているのに週に数時間も行えていない、ということもあります。この認識が重要課題への実行力と現状を改善する意欲を増します。

しかし他の業務も全てやらなければならないものです。このまま重要課題への解決に時間を割こうとしても忙しくて出来ません。可視化した時間の中で「大きく時間を取られているもの」「効率化が容易そうなもの」を選んで効率化を考えます。

3.どのように効率化を行うのか?

ここから実際に効率化に取り組みます。
しかし、いざ効率化に取り組もうと思っても、何をどうしたら良いか最初は分からないものです。また効果が高くても大掛かりなことは、忙しい中では出来ません。
ここでは忙しい中で効率化を行うための切り口を3つ紹介します。

①計画する
②仕事を工夫する
③仕事のやり方を整える

なお経営者・管理者の場合、仕事の一部を職場の従業員に移管するということが考えられます。その場合でも移管先の従業員の負担減のために業務効率化は必要になります。

切り口① 計画する

通常計画は未実施のことに対して立てるものですが、ここでは過去に行ったことがありこれから行う業務を取り上げて計画に書き出します。
計画として書き出し実施することで、改めて業務を見直します。

計画には

・目的
・上位目的(目的の目的)
・実施事項
・具体的なアクション(何を、いつまでに)
・改善点
・改善の具体的アクション(何を、いつまでに)

の項目を準備します。

実施事項の具体的アクションまではやることをシンプルに書き出します。過去にやったことがある業務ですから、時間がかからず書き出せることと思います。

この段階で効率化のアイディアを思いつくことがあります。それは計画時にはある程度「効率的な動き」を想像するためです。計画に慣れている人ほど余裕を設けますが、それでも非効率な動きを想像して計画する人はいません。そしてもう一つの理由として実施時に比べて視野が広がるためでもあります。実施時と比べて計画時には前後の仕事等も考える余裕があります。

計画を立てた後は計画に従って業務を行います。計画した時には見えなかった非効率な部分が、改善点として見えてくることがあります。その改善点を書き出し、改善の具体的アクションを記載します。すぐに改善のアクションを取れる部分は実施し、次回その業務を行う際に改善する点は、計画書を残して次回実施します。


切り口② 仕事を工夫する

いわゆる改善活動です。大まかに仕事を工夫すると書きましたが、さらにいくつかの切り口で考えることが出来ます。
代表的なものは『ECRSの法則』と呼ばれる考え方です。
これはアルファベットの頭文字をとったもので、

 E(Eliminate)・・・その作業を無くすことで効率化する
 C(Combine) ・・・他の作業と合わせることで効率化する
 R(Rearrange)・・・場所や順序を入れ替えることで効率化する
 S(Simplify) ・・・簡略化して効率化する

であり、この順序で考えることで高い効率化の効果を得られる、というものです。

現在の業務に対して直接的にこの法則で考えると難しいですが、行っている業務の『目的』を考えると効率化のアイディアを生み出しやすくなります。

このデータは何のために入力しているのか?
この発注は何のために行っているのか?
この会議は何を決めるためのものか?
この書類は、誰に、何を伝えるために作成しているのか?

目的を考えると必ずしも現在のやり方ではなくても良い事が分かり、無駄も見えやすくなってきます。その上でECRSの法則を用いると、
例えば入力項目のいくつかは無くせる(現在は使用していない)かもしれませんし(E)、複数のファイルへの入力は1つにまとめられるかもしれません(C)。

これらはすぐ出来るものもあれば、実施のための体制作りに時間がかかるものもあります。中には新たな機器の導入や業務のデジタル化によって効率化する部分もあることでしょう。そうした工夫の積み重ねによって仕事は効率良くなっていきます。

切り口③ 仕事のやり方を整える

やり方を整えるとは、複数回発生する業務に対して手順等を決めて、決めたとおりの実施を継続することです。

例えば

・繰り返し発生する仕事に対して、作業手順を定めておく
・繰り返し使用する処理に対し、フォーマットと書き方を定めておく
・繰り返し発生する情報の変化(あるいは問い合わせ)に対し、共有の方法を定めておく

など。
上記は当たり前のように思われるかもしれませんが、個人で完結するような仕事は意外と整えられていないものです。年1回の業務であっても手順や過去の内容を取り出せるように準備しておくことで、次回行う際の効率は格段に上がります。一つ一つは小さなことですが、積み重ねによって削減される量は大きなものになります。

また仕事のやり方を整えることは複数人が行う作業において多くのメリットがあります。
 ・考えて手が止まることが減る
 ・ミスが減り、ミスを修正する手間が減る
 ・人による違いが無くなり業務の理解が早くなる
 ・担当者以外の人員でも代替がしやすくなる
これらのメリットにより、仕事に要する時間・労力が減少します。

①や②で得られた効率化のアイディアを実施・継続することも仕事のやり方を整えることになります。こうした効果はやり方を整えた後で、さらにやりやすいように改善していくことで効果を増していきます。


4.終わりに

効率化について記載してきました。繰り返しますがここでの効率化の目的は『重要課題を解決する活動の実行』です。ある仕事の効率化をしても、他の仕事をゆっくりやるだけになっては意味がありません。目的をもって取り組むことが重要です。

ここに記載したのはあくまでもアイディアを発想するための『切り口』でしかありません。発想されたアイディアを実施し、仕事の効率化が進んで初めて成果が得られます。
そして実施には労力がかかります。実施の際には職場の部下や同僚に理解してもらう必要もありますし、設備導入やデジタル化のように自社だけでは難しいこともあるかもしれません。まずは2週間~1か月に1つのペースでの効率化をお勧めします。それだけでも続ければ数年後には大きな成果になっています。

成長し続ける企業は効率化を含めた改善を行い続けています。この実行力を増していくことが未来の自社を作ると考え、効率化に取り組んで頂ければと思います。

C O N T A C T

弊社では上記内容の経営支援を行っています。
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