実務従事記録

概要

  【日程】      2015年10月2~26日(主に土日、企業訪問と報告会平日)

  【診断企業業種】  製造業(金属加工)

  【診断テーマ】   1.物流改善
            2.人事評価制度の策定

  【診断の進め方】  チーム制(テーマ別にチーム分け)

  【指導者】     左近 祥夫

診断の流れ

内容
 【第1日目】
[オリエンテーション]
受講者自己紹介。その後指導者より診断テーマ及び、企業概要・詳細についての説明。診断先の捉え方や業界の問題点について議論。
 【第2日目】
[企業訪問]
工場見学及び社長・専務へのヒアリング。物流及び人事評価の現状に対して書類・データを交えて質疑。
 【第3日目】
[ミーティング]
ヒアリング内容の確認及び資料まとめ。その後チーム別に分かれて提案のストーリーを決定後各人の執筆分担決定。
 【第4日目】
[ミーティング]
チームごとの発表、討議、修正方向の検討。
 【第5日目】
[ミーティング]
修正原稿の発表、討議、再修正。
 【第6日目】
[報告会]
社長・専務への報告会

報告・提案

物流改善・・・現状の問題点・あるべき姿の提示から、そこに至るために具体的に行うべき事項の
       中で、すぐに手を付けられる事項を現場改善・情報システム、人材教育に分けて提
       案。
       誤配達防止・積み込み時間短縮を目的とした「出荷日ごとの保管スペース区分け」
       や、納品の効率化を目的とした「取引先マッピング及びカルテの作成」等の提案を
       行った。

人事評価・・・現状の問題点及び改善の方向を示す。人事評価の基本的な考え・マネジメントサイ
       クルから、具体的にいつ・何をやるかを提案。「部門/個人目標評価」やマネジメ
       ントサイクルを回転させるための「社長・社員のコミュニケーションの場」を、
       現在まで当社で試行錯誤してきたことに沿うような形で提案した。

また最後にテーマ外ではあるが、「競争優位の創出」「生産現場改善」について提案を行った。

受講者感想

<豊中市 K様>
自分一人で診断する機会はあるが、チームを組んで診断する機会はそうあるものではない。今回は診断にあたり、実践クオリティシステムズのスキームを使って、講師含め7名のチームによる診断を体験させていただいた。自分の独りよがりの考えでは決して到達し得なかった診断プロセス、診断結果を身をもって体験することができた。

[診断について]
私の専門分野は財務分析と人事制度である。しかし今回は物流部門の診断を行った。自分一人では決して手を出さなかった分野である。チーム力でカバーできるがゆえに、チャレンジすることができたテーマである。自分の得意分野を伸ばすのが鉄則ではあるが、幅を拡げるのも一度きりの人生を豊かにする秘訣でもあるように思う。

[報告会と感想]
報告会では社長から「短期間でよく本質を突いた診断をしていただいた」とお褒めの言葉に預かった。7名ものチームで対応したのだから当たり前かも知れないが、初対面であっても意気投合して診断に当たれた結果だと思う。チームの中で自分自身の能力が育まれてゆくことを体感できることが、このチームによる診断の醍醐味ではなかろうか。


<宝塚市 T様>
[企業診断の準備]
指導者が、メンバーを決定、A社のテーマ(物流・人事評価制度)に従って班分け、リーダーを任命。
リーダーは、
・指導者から配信されたA社の資料等の整理
・テーマ関連の経験者へのヒアリングや関連書籍による知識の補充をし
「A社への質問事項」を取り纏め、初顔合わせに臨んだ。提案書完成までメンバーとの交信は続く。

[診断について]
ヒアリングでは診断先企業の社長はメンバーからの質疑に対し、丁寧で分かり易く応答して頂いた。社歴は長いが、競争優位を築きかねている状態や、後継者としての苦悩が伝わってきた。また工場見学では製造業の必需部品として相当の社会的役割を担っているにも拘らず、低付加価値に甘んじていることのモノづくりの矛盾を感じた。
A社を辞して
・ヒアリング内容の確認
・各メンバーの会社・幹部に関する受け止め方
・今後の進め方
について話し合った。
以後連日、指導者から参考資料や激励入りのメール受信。
遠く離れて持分を進めるメンバーへの心遣いは、実に有難い。

[報告会と感想]
リハーサルを経て、修正を加えた提案原稿は、初稿よりレベルアップした。社長から「提案への謝意と実行」の決意を聞きながら、以前にもスタートを躊躇・断念した経緯も聞き及んでいるので、我々の役割もこれからと感じている。


<大阪市 R様>
[企業診断の準備]
診断企業は工業系のメーカーであった。「商業」で診断士の資格を取得した身としては、ちょっと不安になった。診断の対象は「物流」と「人事評価」。関連資料は順次メールで指導者から配信され、社長ヒヤリングでの主要な質問項目の提示もあった。この実務補習に参加したのは他に5名、うまくチーム分けされ、「人事評価」に入った。

[診断について]
企業を訪問しての社長ヒヤリングと工場見学は一日のみだったが、あまり外部に見せないようなものまで提供を受けていた。診断企業とそれ相当の信頼関係がないとこうはいかないはず。これからの資料と、ヒヤリングの内容をチームごとに刷り合わせ、診断の重点と提案の的が早々に絞れた。これはさいわいだった。

[報告会と感想]
最終の企業での報告会は印象的だった。初回の訪問の際に感じたまま、なんとなく近寄りがたい雰囲気を醸し出しながら報告を聞いていた社長。すべてを聞き終えたとき、少し間をおいて、『たった一日のヒヤリングでここまでまとめてもらって、本当に、ありがとうございます』。帰り、門のところまで皆を見送ってもらい、清々しい充実感があった。


<奈良市 O様>
[企業診断の準備]
チームを組んでの診断は久しぶりであり、メンバー全員と初対面でもあって、緊張感を覚えたが、自己紹介を終えると自然に馴染むことができた。
事前資料を確認するうちに、経営者の思いが熱く語られており、自社を良くしたいという気持ちが強く伝わってきた。経営者が納得する報告書作成にたいする重責を感じた。

[診断について]
企業訪問による経営者からのヒアリング及び工場見学も久しぶりであった。
割り当てられたテーマの人事評価は、初めて取り組むもので、経験がなく不安であったが、ベテランのメンバーによる方向性の見極めの速さに感銘した。新しい知識の修得、メンバーと交流できたことが、今回の実務実習(企業診断)での大きな収穫である。

[報告会と感想]
私は発表する担当ではなかったが、発表の場では経営者の正面の席であった。
経営者は、発表者に対して真剣な眼差しで対峙し、瞬きもせず目力があった。最初は、提案内容に不満があるのかと感じたが、そうではなく、真剣に聞いていたのだった。最後に、経営者から「短期間でよく調べていただいた」と感謝の言葉を述べられた時には、大きな満足感を得ることができた。


<大阪市 M様>
[企業診断の準備]
面識のない者ばかりでチームを組むのは、不安が大きかったが、ふだん企業に「いろいろな連携や協力が必要」と説いているからには、チームワークを発揮しなければならない。幸い、すぐに打ち解けて、対象企業の現状や課題を確認し合った。経営者は、かなり腹を割って相談してくれていることがわかり、少しでも役に立つ提案をしたいという思いを強くした。
[診断について]
対象企業は、私にとって、あまりなじみのない業種で、物流の改善チームになったものの、専門的知識は備えていない。しかし、ヒアリングや工場見学を通じて、知らないからこその興味が湧いてきた。どのメンバーも専門外だったが、意見を出し合ううちに、いろいろな考察ができ、アイデアも生まれてきた。
[報告会と感想]
報告会での提案を実現するためには、今後のフォローが極めて重要である。となると、私も含めた今回のメンバーが当該企業のサポートをできる(仕事につなげる)可能性がある。実務研修は、単に更新のためのポイントを得るものでなく、協力意識の醸成、知識の向上、提案力の強化が図れるほか、仕事受注の可能性も提供してくれる場であると感じた。


<福岡市 K様>
[企業診断の準備]
今回のテーマ2つの内、私の担当は、物流であった。支援先企業の依頼内容は、物流コストの削減。10月2日の診断開始を前に、9月頃から、支援先企業から提供頂いた物流に関するデータがメールで届き始める。今回の対象は、金属製品という重量物の物流であり、宅配便で送れるような大きさではない。提供頂いたデータを見ながら、診断の進め方について構想を練るが、どう進めていったらよいか、全く想像がつかない。

[診断について]
今後の進め方が全く想像できないまま、診断に突入してしまった。しかし、経営者に実際にお会いしてお話を伺い、工場見学を行った上で、支援メンバー全員で議論を行っていくと活路は見いだせるものである。議論をすることで、アイデアが飛び出し、そのアイデアをみんなで膨らませていくことで、提案をまとめることが出来た。支援メンバーで熱く議論が出来るということが、この研修の大きな魅力であると再認識した。

[報告会と感想]
実践クオリティシステムズの研修では、「机上の空論や抽象的な提案ではなく、実践できて効果が出る具体的な提案。経営者の明日からの行動につながる提案」を行うことが常に求められており、今回の研修でも指導者から繰り返し指導があった。支援メンバーの議論の中でも、そこを強く意識して議論を行い、提案を作成した。報告会では経営者から感謝の言葉を頂いた。しかし、「経営者の明日からの行動につながる提案」が本当に出来たのか・・・、報告会から1ヶ月経った今でも自問自答している。「机上の空論や抽象的な提案ではなく、実践できて効果が出る具体的な提案。経営者の明日からの行動につながる提案」を行うことはとても難しい。中小企業診断士として活動を続ける限りずっと向き合っていく課題かもしれない。


診断先企業社長を始め従業員の皆様、受講者の皆様、ありがとうございました。